行ったことのある土地
夜風が冷たくて気持ちいい、だいすきな季節。
平成最初の冬に生まれたわたしも、もうすぐ30歳になる。
区切りもいいし、なにか新しいことを始めよう!と思い、半ば衝動的にブログを開設した。
日々思ったことや読んだ本や漫画、観た映画の感想など、まずはテーマを絞らず色々なことを書いていこうと思う。どこかへ出かけたら、その写真などもアップしていきたい。文章を書くこと自体は嫌いではないので、マイペースに時々更新していければと思う。
最初の記事のテーマを何にするか悩んだが、タイトルにもあるように「行ったことのある土地」にした。
活字にするとなんかバカみたいだが、結論から言えば「『行ったことのある土地』が増えるほど、人生は豊かになるのではないか」という話。
出張、旅行、冠婚葬祭など、知らない土地へ行く機会は大人になれば色々とある。
わたしは「知らない土地」というのが無性に好きで、旅行やドライブはもちろんのこと、たとえそれが仕事だろうと法事だろうと(不謹慎だが)行ったことのない土地を訪れるときはどうにもワクワクしてしまう。
見慣れない地形。変わった形の建物。大きな工場。なにに使われているのか分からない公共施設。進むべき方向が分かりづらい交差点。住宅街にポツンと佇む小さな神社。山奥に突如現れる巨大なパチンコ屋。なにかの石碑。ちょっと変な色の橋。
なにより、自分の住む土地とは少し違う空気の匂い。
「ああ、自分はいま知らない土地にいるんだ」という静かな高揚感。
ここまでは、多少なりとも旅行やドライブなどが好きなひとなら、わりと共感してもらえる話だと思う。ここで私が言いたいことは少し違う。
初めて訪れた土地の新鮮な記憶。それらがその後の人生の予期せぬ場面で蘇り、豊かな体験をもたらすのだ。
今まで気にも留めなかったテレビ番組、雑誌の特集、小説の舞台、または誰かとの何気ない会話。それらが「行ったことのある土地」の記憶によって突如、今までにない色彩を帯びる。「あ!そこ行ったことある!」「ああ、そこってあの街の近くだったのか!」「おお!確かにこの駅にはこれがあった!」「あの売店にはこんなものも売ってたのか!」「ここも行っておけばよかった」「「もう一度行きたいなあ」....
めくるめく、記憶との答え合わせ。旅が旅を呼ぶ。
なによりこの体験のチャンスは、訪れた土地の数だけ増えていくのだ。すごい。
人が旅をするということは、広大な白地図に少しずつ色を塗っていくようなものだと思う。見知らぬ土地を訪れることで真っ白だった地図が着色され、やがて自分の世界がどんどん色鮮やかに染まっていく。素敵。
長々と書いておいて、なんだか当たり前のことをただ回りくどく言い換えただけになってしまった気がする。
要するに、旅っていいよねということです。